高齢者医療費負担増と子ども医療費無料化2016-12-02 10:38

 厚労省が、医療保険制度の見直し案を示しました。高額所得者の負担増は止むを得ないと思いますが、住民税非課税世帯を除き年収370万円未満の低所得者の高額療養費の限度額も引き上げられます。医療費の増大が背景にあるのですが、格差の拡大に追い打ちをかけるもので、大きな疑問が残ります。

 一方で、地方自治体においては、自治体財政を活用し、子どもの医療費の無料化が進められています。全ての子どもたちが医療にかかれるように、低所得者や重病である子どもの医療費負担の軽減を図ることには賛成です。

 しかし、一律に無料化というのは、受診機会が増え医療費を押し上げることにもつながりますし、投薬や検査で、必要以上に子どもの体に負荷をかけることにもつながる可能性があります。負担は軽く、でも一部負担することで、本当に医師にかかり投薬の必要があるのか、考えるきっかけになるのではないでしょうか。

 高齢者医療費も子ども医療費も、国の大きな財布ということを考えると、連動するものです。医療費全体が増大して行く中、ジェネリック医薬品の活用などもしながら、どちらも大きな負担増にならないよう、バランスを取りながら運営していく必要があります。

兵庫県議 政務活動費をこっそり返還2016-12-07 17:18

政務活動費を自主返還した時は説明と公表が必要!

 本日7日、2015年度に政務活動費が返還された状況を公表すると共に返還時の公表基準の設定等を求める申し入れ書を提出しました。

 この10月に2015年度の兵庫県議会政務活動費の返還状況について、情報公開請求しました。その結果、1会派(自民党)と9人の議員(自民7人、公明1人、ひょうご県民連合1人)から1,024,111円が、返還されていることがわかりました。

 岩谷元県議は、2011~13年度に政務活動費からデータ整理代、お茶・茶菓子代として支出した312,378円を返還。お茶・茶菓子代は、白紙領収書を使っていたようですが、両件ともに返還理由は明らかにされていません。

 釜谷議員は、政務活動費で2013年度に購入した切手代396,559円を返還。返還理由が示されておらず、切手を購入していたのかどうかもわかりません。
上記2件は、オンブズから返還訴訟が提起されており、支出の妥当性について、説明できないことから、返還された可能性もあります。

 加茂元議員は、政務活動費を支出した2011~13年度のカーリース料に、支出できない任意保険料が含まれていたことなどから275,017円を返還。返還理由は付されています。

 他に1会派6人の議員が40,157円を返還。理由が示されており、ケアレスミスの範囲だと思います。

 以上のこともあり、政務活動費不正使用の再発防止のためにも、政務活動費を返還した時は、返還理由をつけ、理由が示されない時や返還金額が多い時は、その旨を公表するよう議長に申し入れました。

井戸知事 実質公債費比率の操作を少しだけ改善する意向2016-12-10 11:10

 昨日の県議会本会議で、ひょうご県民連合の竹内英明議員が、県債管理基金から特定目的基金に含まれ現金化することが難しい土地、美術品の簿価額を外すよう求めた質問に対し、井戸知事は、土地、美術品の簿価額を除外する意向を明らかにしました。
 
 兵庫県は、特定目的基金を県債管理基金に積むことで、実質公債費比率という財政指標を操作しているのですが、その操作が少しだけ改善されることになります。私の調査では、このような操作をしているのは兵庫県だけ。

 この問題は、竹内議員が最初に問題提起し、私も重要な問題なので、この問題を追っかけてきましたが、私の知る限り自民党、公明党、共産党、維新の会はあまり反応をせず、物事が改善に向かうことはありませんでした。

 そこで私は、石原俊彦関学大大学院教授に意見書を書いてもらうことにし、石原先生から「実質的な特定目的基金の一時組換えや、流動性に乏しい美術品や土地を基金に参入することは、「会計倫理」の視点から厳に慎むべき会計行為と考えます。」などとの意見をいただきました。
 その意見書と共に10月に知事に申し入れをしたことが、新聞報道で取り上げられ、制度見直しの大きな力にもなりました。

 何より、この問題を真摯に追いかけてきた竹内議員、ひょうご県民連合の議員(私の記憶にあるのは、栗山議員、前田議員)の取り組みを評価したいと思います。

 他の特定目的基金を県債管理基金に積んでいるのも、財政指標の操作であり、その見直しも引き続き求めて行きたいと思います。

兵庫県議ボーナス3年連続アップの提案 政務活動費問題の反省は???2016-12-10 19:08

 兵庫県人事委員会が、民間賃金と県職員の給与の差が0.83%(民間が高い)、ボーナスについては0.10月民間が高いということで、その差の是正を求めました。但し、県職員は独自の給与カットをしていることから、実際には、県職員の給与は、民間よりも16,787円(4.25%)低い状態です。比較する民間企業は50人以上の職員なので、どうしても給与水準が平均よりも高くなりますが。

 本題はここからです。県職員の給与改定に合わせ、自公民の議員により県会議員のボーナス年約13万円アップが提案されています。もし可決されれば3年連続のアップです。

 今任期は、政務活動費問題での出直しの意味合いもあり、報酬、ボーナスアップは自粛すべきです。自公民の議員の中で、ボーナスアップに反対意見が出ないのも不思議です。

13日が常任委員会での審議。15日が本会議での採決です。

旧維新の会 政党交付金還流 「お金に汚い改革勢力」からの脱却を2016-12-11 10:55


 
閉塞感のある政治状況を変えるために、特に関西から維新の会に支持が集まり、一定の勢力まで成長しました。

 国政においては、改憲の動きやIR法案など自民党との共同歩調が目立ち、存在意義が低下してきたように思います。

兵庫県など地方議会においては、自民が過半数の議席を持つところや共産党を除く総与党体制のところもあり、そこに維新が入ることで、議員報酬のあり方などで少しさざ波が立っています。議論の無いところで、議論が始まり、好ましいことだと考えています。
維新の兵庫県議を見ていると、真面目に議員活動を取り組んでいる方も少なからずいるのだと感じています。

一方で、今回の政党交付金の還流や、維新の会の議員による政務活動費の不正使用などが後を絶たず、かなり質の悪い議員が存在することも明らかになっています。また、その悪さをした議員に対する処分が、極めて甘いのも維新の特徴です。

これ以上「お金に汚い改革勢力」にならないよう、今後の立ち振る舞いを考えて欲しいものです。

神戸新聞 旧維新の党支部 政党交付金8700万円還流
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009741415.shtml