兵庫県 財政指標(実質公債費比率)を意図的に操作 ― 2016-03-05 21:10

全国ワースト5位が10位に変化???
兵庫県は、2006年度に、国が実質公債費比率という新たな財政指標を作ったことで、その指標の数値によって、起債の発行が制限されることなどが無いよう次のような対策を取りました。
公共施設整備基金など支出目的が決まっている基金を、県債返済を目的とした県債管理基金に一体化。そのことで、実質的な財政状況は何も変わらないのですが、県債管理基金の積立額が影響する実質公債費比率は、見かけ上、改善しました。
2014年度を例にとると、実質公債費比率 単年度3.2%(18.6%→15.4%)、3カ年平均1.8%(17.6%→15.8% 全国ワースト5位からワースト10位に)改善。将来負担比率は333%で変わらず(全国ワースト1位)
注:左側の数字が本来の数字
私が確認したところ、兵庫県と同じように県債管理基金(もしくは減債基金)に、特定目的基金など県債管理のために使えない基金を組み入れている都道府県はひとつもありませんでした。
ということは、実質公債費比率の算定根拠が異なってくるので、今まで兵庫県が公表してきた実質公債費比率と全国都道府県の数値を比較することは全く意味がなくなってしまうということです。
兵庫県は、国の兵庫県への財政関与を外すことに成功したのですが、私の懸念は県の財政規律まで緩んでしまう可能性があることです。
兵庫県は財政が厳しいにも関わらず、新年度予算案では、県営但馬空港で使用する飛行機を新たに購入するための補助を出し、新たな公共施設(宝塚健康福祉事務所+シニアカレッジ)を建設し、県立の森林大学校を創設(既存の校舎を利用予定)する予定にしています。また、県職員の給与カット割合を減らすと共に知事の給与カット割合も減らす予定です。
知事は、正確な実質公債費比率を自主的に公表する意思は無いようなので、適正な財政状況を把握するために、毎年、正確な数値を出させるしかありません。
最後に、自治体の財政チェックをしている総務省は、兵庫県が独自に実質公債費比率の数字を導き出し、財政管理手法を骨抜きにしているのに、それを黙認しています。それも大きな問題です。
参考
県債管理基金:県債の償還及び県債の適正な管理に必要な財源を確保し、将来にわたる財政の健全な運営に資するための基金
実質公債費比率:18%以上で国の起債許可(借金許可)が必要。25%以上で起債制限(借金制限)
兵庫県は、2006年度に、国が実質公債費比率という新たな財政指標を作ったことで、その指標の数値によって、起債の発行が制限されることなどが無いよう次のような対策を取りました。
公共施設整備基金など支出目的が決まっている基金を、県債返済を目的とした県債管理基金に一体化。そのことで、実質的な財政状況は何も変わらないのですが、県債管理基金の積立額が影響する実質公債費比率は、見かけ上、改善しました。
2014年度を例にとると、実質公債費比率 単年度3.2%(18.6%→15.4%)、3カ年平均1.8%(17.6%→15.8% 全国ワースト5位からワースト10位に)改善。将来負担比率は333%で変わらず(全国ワースト1位)
注:左側の数字が本来の数字
私が確認したところ、兵庫県と同じように県債管理基金(もしくは減債基金)に、特定目的基金など県債管理のために使えない基金を組み入れている都道府県はひとつもありませんでした。
ということは、実質公債費比率の算定根拠が異なってくるので、今まで兵庫県が公表してきた実質公債費比率と全国都道府県の数値を比較することは全く意味がなくなってしまうということです。
兵庫県は、国の兵庫県への財政関与を外すことに成功したのですが、私の懸念は県の財政規律まで緩んでしまう可能性があることです。
兵庫県は財政が厳しいにも関わらず、新年度予算案では、県営但馬空港で使用する飛行機を新たに購入するための補助を出し、新たな公共施設(宝塚健康福祉事務所+シニアカレッジ)を建設し、県立の森林大学校を創設(既存の校舎を利用予定)する予定にしています。また、県職員の給与カット割合を減らすと共に知事の給与カット割合も減らす予定です。
知事は、正確な実質公債費比率を自主的に公表する意思は無いようなので、適正な財政状況を把握するために、毎年、正確な数値を出させるしかありません。
最後に、自治体の財政チェックをしている総務省は、兵庫県が独自に実質公債費比率の数字を導き出し、財政管理手法を骨抜きにしているのに、それを黙認しています。それも大きな問題です。
参考
県債管理基金:県債の償還及び県債の適正な管理に必要な財源を確保し、将来にわたる財政の健全な運営に資するための基金
実質公債費比率:18%以上で国の起債許可(借金許可)が必要。25%以上で起債制限(借金制限)
県企業庁 (株)夢舞台への投下資本124億円未回収 ― 2016-03-12 15:28
3月11日 県議会予算特別委員会の県企業庁審査で明らかに
(力を入れて作った質問です。よければ録画を見て下さい。)
2000年に第3セクター(株)夢舞台が、ホテル施設(ウェスティンホテル淡路)を建設し、経営悪化したことから、ホテル施設を県企業庁が約124億円(消費税別)で購入しました。その後、県企業庁は、(株)夢舞台にホテル施設をリースし、現在も(株)夢舞台がホテル運営を続けています。
当初県企業庁が投入した投下資本124億円は、80年で回収する予定でリース料に含め回収を始めましたが、当初計画の一部しか回収できておらず、その後に行ったホテルのリニューアル工事費の回収も必要となり、2014年度において県企業庁が回収すべき投下資本総額は125億6500千万円に膨らんでいます。
この間、県企業庁は、ホテル経営は順調であるかのように装い、投下資本の回収状況などを、明らかにしてきませんでした。
今回、私の質疑で、回収すべき投下資本総額が膨らんでいることなどの実態を明らかにしました。また、今後、適正に投下資本を回収するため、投下資本回収計画を策定することなどを求めました。県企業庁は計画策定などについて検討すると答弁しました。
このまま(株)夢舞台がホテル運営を続けるか、損失が発生してもホテル施設を民間に売却しホテル運営を続けるか、あるいはホテル施設を賃貸し民間ホテル会社に運営を任せるか、地域経済に悪影響を与えず、公費の損失を少しでも圧縮するために、考えなければいけない時期です。
県議会予算特別委員会 録画
http://www.hyogokengikai.jp/broadcast/20160311-15.wvx
(力を入れて作った質問です。よければ録画を見て下さい。)
2000年に第3セクター(株)夢舞台が、ホテル施設(ウェスティンホテル淡路)を建設し、経営悪化したことから、ホテル施設を県企業庁が約124億円(消費税別)で購入しました。その後、県企業庁は、(株)夢舞台にホテル施設をリースし、現在も(株)夢舞台がホテル運営を続けています。
当初県企業庁が投入した投下資本124億円は、80年で回収する予定でリース料に含め回収を始めましたが、当初計画の一部しか回収できておらず、その後に行ったホテルのリニューアル工事費の回収も必要となり、2014年度において県企業庁が回収すべき投下資本総額は125億6500千万円に膨らんでいます。
この間、県企業庁は、ホテル経営は順調であるかのように装い、投下資本の回収状況などを、明らかにしてきませんでした。
今回、私の質疑で、回収すべき投下資本総額が膨らんでいることなどの実態を明らかにしました。また、今後、適正に投下資本を回収するため、投下資本回収計画を策定することなどを求めました。県企業庁は計画策定などについて検討すると答弁しました。
このまま(株)夢舞台がホテル運営を続けるか、損失が発生してもホテル施設を民間に売却しホテル運営を続けるか、あるいはホテル施設を賃貸し民間ホテル会社に運営を任せるか、地域経済に悪影響を与えず、公費の損失を少しでも圧縮するために、考えなければいけない時期です。
県議会予算特別委員会 録画
http://www.hyogokengikai.jp/broadcast/20160311-15.wvx
2014年度 全国中学校 授業中柔道事故 医療費支給3967件 骨折1263件 ― 2016-03-14 20:44
~柔道事故の検証と安全対策の徹底を~
今年度、柔道部の活動で2人死亡者が出ました。一人は、福岡市の中学1年生女子が大外刈りをかけられ、頭部外傷で、もう一人は、横浜市の私立高校1年生で、熱中症で死亡しました。名古屋大学大学院准教授の内田良さんの報告によると、1983年から現在まで、学校の部活や授業で、120名が亡くなっています。兵庫県においても、2005(H17)年に県立高校での部活動中に、頭部を打って死亡した事例があります。
このような状況の中、2012年から全国の中学校において、武道の必修化が始まりました。柔道、剣道、相撲等の中から選択できますが、比較的指導者が多く、柔道着を用意するだけなので、柔道が好まれるようです。2012年に文部科学省が行った調査では、64%が柔道を選択していました。
2015年度に兵庫県では、中学校の武道で、柔道を選択したのは56.1%、男子、女子で分かれているのだと思いますが、柔道と剣道2種目を選択したのは7.8%、柔道となぎなたは2%となっています。
武道については、熟練した指導者があまりいないにもかかわらず、いきなり必修化した政府の対応は極めて乱暴だと思いますが、現状がどうなっているのか、検証が出来ればと思い本日兵庫県議会で質問しました。
その前段で、学校での事故で医療費の支給などを行う日本スポーツ振興センターに、全国都道府県の体育の授業における柔道事故の医療費の支給件数、骨折事故について、資料を整理してもらいました。
その資料によると、2014年度、全国で医療費が支給された柔道事故は3,967件あり、そのうち骨折事故は1,263件。兵庫県における医療費が支給された事故は234件、全体の5.9%で全国4位の数字です。兵庫県における骨折は、79件、全体の6.3%でこちらも全国第4位の数字です。
日本スポーツ振興センターが公表している2014年度の小中高校における組体操の事故で、医療費が支給された件数は8292件、そのうち2095件が骨折ですが、その数字から見ても、中学校の授業における柔道事故、骨折事故は、同等かそれ以上に件数が多いように思います。
そのことも踏まえ、柔道事故の減少に向けた県教育委員会としての方針とその取組について聞いたところ、
①一定の指導歴、研修歴を持った教員が指導にあたることができる体制整備
②学習段階、個人差を踏まえ、段階的な指導を行うなど安全に十分に留意した計画策定
③畳のずれを防ぐ装置の設置など安全な場の確保
④事故が発生した時の応急処置緊急連絡体制の整備を行う。
などの答弁がありました。併せて、「柔道事故ゼロを目指す」と決意を語っていただきました。
柔道は、頭部を打たなくても、頭部の回転によって加速損傷により、死に至る場合もあります。セカンドインパクトと言って、2度目の軽度の頭部外傷で、死に至る場合もあります。
柔道事故は、その内容を検証すれば、かなりの部分、対策が取れると思います。中学校だけではなく高校においても、安全対策がしっかり取られることを要望し質問を終えました。
兵庫県議会HP
http://www.hyogokengikai.jp/broadcast/20160314-7.wvx
今年度、柔道部の活動で2人死亡者が出ました。一人は、福岡市の中学1年生女子が大外刈りをかけられ、頭部外傷で、もう一人は、横浜市の私立高校1年生で、熱中症で死亡しました。名古屋大学大学院准教授の内田良さんの報告によると、1983年から現在まで、学校の部活や授業で、120名が亡くなっています。兵庫県においても、2005(H17)年に県立高校での部活動中に、頭部を打って死亡した事例があります。
このような状況の中、2012年から全国の中学校において、武道の必修化が始まりました。柔道、剣道、相撲等の中から選択できますが、比較的指導者が多く、柔道着を用意するだけなので、柔道が好まれるようです。2012年に文部科学省が行った調査では、64%が柔道を選択していました。
2015年度に兵庫県では、中学校の武道で、柔道を選択したのは56.1%、男子、女子で分かれているのだと思いますが、柔道と剣道2種目を選択したのは7.8%、柔道となぎなたは2%となっています。
武道については、熟練した指導者があまりいないにもかかわらず、いきなり必修化した政府の対応は極めて乱暴だと思いますが、現状がどうなっているのか、検証が出来ればと思い本日兵庫県議会で質問しました。
その前段で、学校での事故で医療費の支給などを行う日本スポーツ振興センターに、全国都道府県の体育の授業における柔道事故の医療費の支給件数、骨折事故について、資料を整理してもらいました。
その資料によると、2014年度、全国で医療費が支給された柔道事故は3,967件あり、そのうち骨折事故は1,263件。兵庫県における医療費が支給された事故は234件、全体の5.9%で全国4位の数字です。兵庫県における骨折は、79件、全体の6.3%でこちらも全国第4位の数字です。
日本スポーツ振興センターが公表している2014年度の小中高校における組体操の事故で、医療費が支給された件数は8292件、そのうち2095件が骨折ですが、その数字から見ても、中学校の授業における柔道事故、骨折事故は、同等かそれ以上に件数が多いように思います。
そのことも踏まえ、柔道事故の減少に向けた県教育委員会としての方針とその取組について聞いたところ、
①一定の指導歴、研修歴を持った教員が指導にあたることができる体制整備
②学習段階、個人差を踏まえ、段階的な指導を行うなど安全に十分に留意した計画策定
③畳のずれを防ぐ装置の設置など安全な場の確保
④事故が発生した時の応急処置緊急連絡体制の整備を行う。
などの答弁がありました。併せて、「柔道事故ゼロを目指す」と決意を語っていただきました。
柔道は、頭部を打たなくても、頭部の回転によって加速損傷により、死に至る場合もあります。セカンドインパクトと言って、2度目の軽度の頭部外傷で、死に至る場合もあります。
柔道事故は、その内容を検証すれば、かなりの部分、対策が取れると思います。中学校だけではなく高校においても、安全対策がしっかり取られることを要望し質問を終えました。
兵庫県議会HP
http://www.hyogokengikai.jp/broadcast/20160314-7.wvx
兵庫県議会予算特別委員会 丸尾の柔道事故質疑 全国で報道 ― 2016-03-15 10:31
昨日、兵庫県議会予算特別委員会で、私が行った中学校の授業中における柔道事故の関する質疑が、神戸新聞、朝日新聞、産経新聞、共同通信など全国のマスメディアで取り上げられています。
中学校の柔道事故は、組体操と同レベルの事故件数であり、この機に安全対策が徹底されることを望みます。
神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/ne…/kyouiku/201603/0008892001.shtml
産経新聞
http://www.sankei.com/life/news/160314/lif1603140031-n1.html
共同通信
http://this.kiji.is/82052645421499900?c=39546741839462401
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016031401002140.html
西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/231331
徳島新聞
http://www.topics.or.jp/…/wor…/2016/03/2016031401002140.html
中学校の柔道事故は、組体操と同レベルの事故件数であり、この機に安全対策が徹底されることを望みます。
神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/ne…/kyouiku/201603/0008892001.shtml
産経新聞
http://www.sankei.com/life/news/160314/lif1603140031-n1.html
共同通信
http://this.kiji.is/82052645421499900?c=39546741839462401
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016031401002140.html
西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/231331
徳島新聞
http://www.topics.or.jp/…/wor…/2016/03/2016031401002140.html
兵庫県教委 高校生の政治活動 届け出 各校判断に ― 2016-03-18 10:05
参議院議員選挙から、18歳選挙権が始まりますが、デモや集会などへの高校生の政治活動参加に関し、学校に届け出るのかどうかが議論になっています。
神戸市は届け出無し、愛媛県は全県立高校で届け出が必要。
兵庫県教委は、政治活動等に対する指導の手引きを作成し、
「新たに校則等に規定する場合は、学校の教育目的の達成等の観点から必要かつ合理的な範囲のものにすること」
「放課後や休日等に学校の構外で行われる生徒の政治的活動等は、家庭の理解の下、当該生徒が判断し行うものである。ただし、違法なもの、暴力的なもの等への参加等を認知した場合には、警察等関係機関と連携し、必要な指導を行うこと」などを市教委等に通知しました。
もしも、デモなどへの参加を学校へ届けなければならなくなると、「原発反対デモに参加など」教師や学校に思想信条を知られることにつながり、進学、就職などへの影響を考え、政治活動に参加することを自粛することに繋がる可能性があります。
ヘイトスピーチなど違法性があるデモに参加することなどは問題だと思いますが、それらは、事前の啓発で対応すべきでしょう。まさに、そのことを考えることが、主権者教育ではないでしょうか。
神戸新聞記事
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201603/0008901607.shtml
神戸市は届け出無し、愛媛県は全県立高校で届け出が必要。
兵庫県教委は、政治活動等に対する指導の手引きを作成し、
「新たに校則等に規定する場合は、学校の教育目的の達成等の観点から必要かつ合理的な範囲のものにすること」
「放課後や休日等に学校の構外で行われる生徒の政治的活動等は、家庭の理解の下、当該生徒が判断し行うものである。ただし、違法なもの、暴力的なもの等への参加等を認知した場合には、警察等関係機関と連携し、必要な指導を行うこと」などを市教委等に通知しました。
もしも、デモなどへの参加を学校へ届けなければならなくなると、「原発反対デモに参加など」教師や学校に思想信条を知られることにつながり、進学、就職などへの影響を考え、政治活動に参加することを自粛することに繋がる可能性があります。
ヘイトスピーチなど違法性があるデモに参加することなどは問題だと思いますが、それらは、事前の啓発で対応すべきでしょう。まさに、そのことを考えることが、主権者教育ではないでしょうか。
神戸新聞記事
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201603/0008901607.shtml
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