兵庫県 高線量計のないモニタリング体制は不十分!2016-03-19 14:28

 高浜原発は、滋賀地裁の判断により、再稼働が止まり、数か月の猶予はできましたが、いつ判断が覆り、再稼働してもおかしくない状況です。
 そんな中、原発事故時に放射性物質の拡散状況を計測するモニタリングポストの設置状況を調べてみました。
 モニタリングポストは、10μSv/hまで測定可能な低線量計と100mSv/hまで測定可能な高線量計の2種類があります。
 1週間以内に一時移転しなければならない放射線量は20μSv/h、即時移転しなければならないのは500μSv/h。いずれも低線量計では測れず、高線量計が必要です。
 京都府は、高線量計17基、低線量計14基。滋賀県は高線量計6基、低線量計9基。大阪府は高線量計15基、低線量計6基設置しています。
ところが、兵庫県では、低線量計6基ありますが、高線量計はゼロです。
 過去の裁判所の判決では、チェルノブイリ級の事故が起これば、250km圏まで避難地域になる可能性が指摘されています。
 県議会予算特別委員会で、兵庫県当局にそのことを質すと、関電など事業者がモニタリングカーを25台、国が10台有し、モニタリングできる飛行機が2台あることなどから、県当局は問題ないとの立場です。
 モニタリングカーは、原発事故後の混乱時は、渋滞で動けなくなる可能性がありますし、飛行機での計測についても、原発から少し離れた兵庫県は、後回しになることは間違いなく、計測データを定期的に取ることは、困難だと思います。
 そのため、兵庫県において、高線量が測れるモニタリングポストの設置は不可欠です。安定ヨウ素剤の備蓄も万一の備えとして必要です。