3月予算議会一般質問「犬猫殺処分大幅削減について」2017-04-13 15:07

丸尾質問: 犬猫の殺処分の大幅削減について、お伺いしていきます。
 環境省が報告をしている2015年度の犬猫の引き取りと負傷動物の収容に対応する殺処分数などを見てみます。
 兵庫県の犬猫の引き取り数は3,055頭、返還数は73頭、返還率は3.1%、全国でワースト10位に位置します。譲渡数は362頭、譲渡率は11.8%、全国ワースト7位です。殺処分数は2,613頭、殺処分率が85.5%、全国ワースト6位。殺処分数の55.8%、1,457頭が引き取り等をしたその日に処分をされています。
 負傷動物の殺処分率が高いのも本県の特徴です。殺処分割合は95.9%で、全国ワースト3位になっています。一方、殺処分率が低いのは北海道23.5%、神奈川県23.9%、岡山県25.4%と続きます。繰り返しですが、本県の殺処分率は85.5%。
 飼い主への返還率が高いのは、山梨県29.6%、長野県24.7%、埼玉県22.7%と続きます。本県の返還率は3.1%。山梨県、長野県、埼玉県は、いずれも保護犬などについて、いつ、どこで保護され、どんな犬や猫かということを写真とともに紹介をしています。それも返還率を上げている取組の一つです。
 譲渡率が高いのは、岡山県67.8%、北海道64.1%、神奈川県59.6%と続きます。本県の譲渡率は、11.8%。岡山県では、譲渡に適した犬猫を岡山県動物愛護財団に委託をし、月4回譲渡会を開催をしています。
 譲渡対象にならなかった、病気を持っている、けがをしている、人なれをしていない犬猫については、民間の動物愛護団体11団体と10名がいるようですが、そこが再譲渡などを行います。県外への再譲渡も認めています。それでも、譲渡先が見つからない犬猫は、2週間ホームページ上で掲載され、譲渡先が見つからなければ殺処分になりますが、最近は譲渡先がほぼ見つかり、よほどのことがない限り殺処分は行われないようです。
 本県においても、保護された犬猫のホームページ上での掲載をしていますが、現状の犬5日間、猫2日間ではなくて、1、2週間ほどに増やし、もう少し飼い主への返還に力を入れることができるのではないでしょうか。岡山県を参考にし、譲渡会の回数を増やすとともに、譲渡事業に協力していただける動物愛護団体、個人を積極的に増やしていくことも重要です。
 併せて、病気やけがをしている、人なれしていない犬猫をすぐに殺処分するのではなく、動物愛護団体に再譲渡の依頼をするとともに、最後はホームページ上で紹介することで、何とかその命を救おうという人たちも出てくると思います。そういう動きを大きくすることで、動物の命を守る、安易には犬猫を捨てないという意識が広く市民の中に浸透していくようにも思います。
 さらに、犬猫の殺処分を減らしていくミッションを明確にしていくために、犬猫の殺処分数を大幅に減らしていく数値目標や返還数・返還率を数値目標として設定することも重要です。本県における犬猫殺処分大幅削減に向けた取組について、当局のご所見をお伺いいたします。

知事答弁:私から、犬猫殺処分の大幅削減についてお答えいたします。
 動物の飼養については、もとより飼い主がその責任を果たしていくことが当然のことであります。このことを踏まえて、県としては、飼い方講習会やふれあい教室の開催など、県民への啓発を重ねております。
 併せて、関係団体と連携して新しい飼い主を探し、譲渡することにも努めてきました。
 その結果、本県の譲渡数は、平成24年度の187頭から、27年度には362頭に倍増し、殺処分数は5,043頭から2,613頭に半減いたしました。
 しかし、ご指摘もいただいておりますように、これらの成績がとてもいいものだとは私自身も思ってはおりません。他府県と比べて本県の犬猫の引き取り数や殺処分数が多いのは、犬については、これまでの啓発もありまして適正飼養が進んで、引き取り数が減少してきております。24年度1,337頭から、27年度601頭です。育てることが難しい子猫の引き取り数が大変多くて、約6割になっておりまして、そのために殺処分数が、いまだ多い状況になっています。引き取り数の全体の60%が、殺処分されているという実情です。
 特に子猫の譲渡を進めていかなければなりませんので、今年度から、ふるさとひょうご寄附金制度を活用したミルクボランティア事業を開始しました。1月末現在でありますけれども、子猫100頭を譲渡しておりまして、それなりの成果が上がっていると考えています。
 終生飼養が可能な動物を適正に飼養できる方に譲渡するという基本的な考え方に基づきまして、個人や登録団体――6団体ございますが――これらに譲渡しております。これらの団体を通じて、県外への譲渡も結果として行われています。引き続き、登録団体の増加に努め、積極的に譲渡を図ってまいります。
 また、狂犬病予防法等で定められた2日間の収容犬の公示期間を、既に5日に延長してホームページで情報提供を行っております。一方、猫は子猫が多いというようなこともありまして、2日間にとどめております。
 今後、このホームページの存在を、市町等関係機関の協力を得ながら広く県民に周知して、収容された犬猫の返還率の向上、実態は、今、ご指摘いただきましたように、3%ちょっとでありますけれども、これを大幅に引き上げていくことに努めたいと考えております。
 数値目標の設定でありますけれども、動物愛護管理推進計画では、殺処分をする犬猫の数を限りなくゼロに近づけていく、これも一つの数値目標だと思いますが、少し現実と差があり過ぎるんではないか、だからゼロに近づけていくまでの間の中間的な目標を設定したらどうかというご提案だと思いますので、この点については、当面、どのような中間目標を定めた方がいいのかどうかを含めて、更に検討をさせていただきます。いずれにしても、ゼロを目指して努力を重ねてまいります。
 私から以上答弁とさせていただきました。

県議会HP
http://www.kensakusystem.jp/hyogopref/cgi-bin3/ResultFrame.exe?Code=6m2nv7auxdpyloegec&fileName=H290301A&startPos=-1