野々村竜太郎県議の「号泣事件」に対する私たちの見解 ― 2014-07-16 08:40
私も参加しましたが、昨日、市民オンブズマン兵庫、市民オンブズ尼崎、市民オンブズ西宮共同で見解を発表しました。
兵庫県議会の2013年度政務活動費収支報告の閲覧公開が6月30日に行われ、その日の「神戸新聞」夕刊で野々村県議(西宮市選出)の不正支出が報じられました。そして、翌日7月1日の釈明会見で説明責任を果たせないまま「号泣」し、その映像が全国・海外にまで流れ、「号泣県議」という報道があふれだしました。
これに対し、県議会は会派代表者会議において「説明責任を果たせないなら全額返還を」という決定をし、野々村県議に事実上の辞職勧告を行いました。そして11日、野々村県議は辞表を提出し、政務調査費・政務活動費全額返還の意向も示しました。
県議会は野々村県議の辞表を受理せず、100条委員会を設置して組織的に真相を究明し、制度の不備、不適切な支出を洗い出すという作業をすべきでした。そうしないで、県議会は異例の速さで辞表を受理し、刑事告発したことは、議会としての責務を果たさないものです。また、再発防止に向けた制度見直しを行うことを表明しましたが、身内だけでの見直しでは県民の理解は得られないでしょう。
こうした動きのなかで、私たちは情報公開による野々村県議の支出関係全資料を入手し、違法・不当支出の返還を求める住民監査請求と刑事告発に取組むことを確認しました。しかし、そのコピーを得られたのが7月11日であり、この間の県議会のあわただしい動きは事態の幕引きを急ぎ、市民による真相追及をかわすものであることは明らかです。
事件発覚後、多くの市民の皆さんから励ましの電話などを頂き、とりわけ西宮市民・兵庫県民の皆さんからは「こんなことで名前が出るのは恥ずかしい」という声が上がっています。また、「辞めたら、お金を返したらそれで済むのか」という思いも強くあります。ここにおいて、私たちは野々村県議事件に対する私たちの見解を明らかにするものです。
1 野々村氏による政務調査費・政務活動費の違法支出(詐取)は、その支出に関する制度的不備を悪用したものであり、辞職・返還によって許されるものではありません。私たちは野々村氏に市民に対する説明責任を果たすことを求めるとともに、その法的責任を追及します。
2 この問題に対する兵庫県議会の動きは真相究明ではなく、事態の早急な収束を目指すだけのものであり、野々村氏個人を切り捨てることによって幕引きを図ることは許されるものではありません。県議会が公費支出の抜け道を残してきたことを真摯に反省するなら、少なくとも全県議の2013年度支出について点検を行い、不正支出が明らかになれば、その返還を行うべきです。 ずさんな政務活動費支出をただし、透明性を確保するためには、収支報告時の「議長の勧告」による不適切支出是正などの制度改革が必要です。
なお、年10万円以上購入している切手代の大量購入についても、十分な説明がなされておらず、他の証拠書類の提出と説明が求められます。
3.再発防止策として、領収書添付例外規定の原則廃止と領収書が取れない時の別の証明資料添付義務付け、視察(出張)報告書の提出義務付け、会計帳簿の提出義務付け、収支報告書と会計帳簿の県議会HPへのアップ、年1回の活動報告書作成等の取り組みを行うこと。また、支出基準、支出内容のチェックについて、公募市民が参加した継続的な監視委員会を設置することが必要です。
4 報道が「号泣県議」という点に傾き、感情的非難が先行してしまいました。この事件が個人を叩くだけで終わることなく、公費支出の制度的不備、ひいては全国の自治体にある同じような問題点の是正へと向かわせる契機となるよう、掘り下げた報道がなされることを望みます。
5 多くの市民の皆さんが議員による公費支出のデタラメさを目の当たりにし、腹立たしさを抑えられないものと思います。私たちはこの問題を野々村氏個人の不正の告発のみで終わらせないために、他の県議の支出についても調査し、違法・不当な支出を明らかにし、その返還を求める作業を継続します。
6 全国のオンブズマンは自治体議員のずさんな公費支出に対して、住民監査請求・住民訴訟を通じてその是正を求めてきました。しかし、その目の届かないところでは今もデタラメな公費支出がまかり通っています。さらに、オンブズマンの干渉を排除したいという自治体議員の要求によって、地方自治法の一部改正が行われ、政務調査費は政務活動費(政活費)へと名称が変更されました。
こうして、公費のずさんな支出が今も続いています。多くの市民の皆さんが野々村県議事件を契機として、それぞれの自治体議会の実態を知り、私たちと共にその是正に向けた取り組みを始められるよう呼びかけます。 以上
兵庫県議会の2013年度政務活動費収支報告の閲覧公開が6月30日に行われ、その日の「神戸新聞」夕刊で野々村県議(西宮市選出)の不正支出が報じられました。そして、翌日7月1日の釈明会見で説明責任を果たせないまま「号泣」し、その映像が全国・海外にまで流れ、「号泣県議」という報道があふれだしました。
これに対し、県議会は会派代表者会議において「説明責任を果たせないなら全額返還を」という決定をし、野々村県議に事実上の辞職勧告を行いました。そして11日、野々村県議は辞表を提出し、政務調査費・政務活動費全額返還の意向も示しました。
県議会は野々村県議の辞表を受理せず、100条委員会を設置して組織的に真相を究明し、制度の不備、不適切な支出を洗い出すという作業をすべきでした。そうしないで、県議会は異例の速さで辞表を受理し、刑事告発したことは、議会としての責務を果たさないものです。また、再発防止に向けた制度見直しを行うことを表明しましたが、身内だけでの見直しでは県民の理解は得られないでしょう。
こうした動きのなかで、私たちは情報公開による野々村県議の支出関係全資料を入手し、違法・不当支出の返還を求める住民監査請求と刑事告発に取組むことを確認しました。しかし、そのコピーを得られたのが7月11日であり、この間の県議会のあわただしい動きは事態の幕引きを急ぎ、市民による真相追及をかわすものであることは明らかです。
事件発覚後、多くの市民の皆さんから励ましの電話などを頂き、とりわけ西宮市民・兵庫県民の皆さんからは「こんなことで名前が出るのは恥ずかしい」という声が上がっています。また、「辞めたら、お金を返したらそれで済むのか」という思いも強くあります。ここにおいて、私たちは野々村県議事件に対する私たちの見解を明らかにするものです。
1 野々村氏による政務調査費・政務活動費の違法支出(詐取)は、その支出に関する制度的不備を悪用したものであり、辞職・返還によって許されるものではありません。私たちは野々村氏に市民に対する説明責任を果たすことを求めるとともに、その法的責任を追及します。
2 この問題に対する兵庫県議会の動きは真相究明ではなく、事態の早急な収束を目指すだけのものであり、野々村氏個人を切り捨てることによって幕引きを図ることは許されるものではありません。県議会が公費支出の抜け道を残してきたことを真摯に反省するなら、少なくとも全県議の2013年度支出について点検を行い、不正支出が明らかになれば、その返還を行うべきです。 ずさんな政務活動費支出をただし、透明性を確保するためには、収支報告時の「議長の勧告」による不適切支出是正などの制度改革が必要です。
なお、年10万円以上購入している切手代の大量購入についても、十分な説明がなされておらず、他の証拠書類の提出と説明が求められます。
3.再発防止策として、領収書添付例外規定の原則廃止と領収書が取れない時の別の証明資料添付義務付け、視察(出張)報告書の提出義務付け、会計帳簿の提出義務付け、収支報告書と会計帳簿の県議会HPへのアップ、年1回の活動報告書作成等の取り組みを行うこと。また、支出基準、支出内容のチェックについて、公募市民が参加した継続的な監視委員会を設置することが必要です。
4 報道が「号泣県議」という点に傾き、感情的非難が先行してしまいました。この事件が個人を叩くだけで終わることなく、公費支出の制度的不備、ひいては全国の自治体にある同じような問題点の是正へと向かわせる契機となるよう、掘り下げた報道がなされることを望みます。
5 多くの市民の皆さんが議員による公費支出のデタラメさを目の当たりにし、腹立たしさを抑えられないものと思います。私たちはこの問題を野々村氏個人の不正の告発のみで終わらせないために、他の県議の支出についても調査し、違法・不当な支出を明らかにし、その返還を求める作業を継続します。
6 全国のオンブズマンは自治体議員のずさんな公費支出に対して、住民監査請求・住民訴訟を通じてその是正を求めてきました。しかし、その目の届かないところでは今もデタラメな公費支出がまかり通っています。さらに、オンブズマンの干渉を排除したいという自治体議員の要求によって、地方自治法の一部改正が行われ、政務調査費は政務活動費(政活費)へと名称が変更されました。
こうして、公費のずさんな支出が今も続いています。多くの市民の皆さんが野々村県議事件を契機として、それぞれの自治体議会の実態を知り、私たちと共にその是正に向けた取り組みを始められるよう呼びかけます。 以上
コメント
_ なっちゃリズム ― 2014年07月16日 14:55
_ 武庫之荘の住人 ― 2014年07月16日 17:13
丸尾さん:
野々村元議員の出張費用弁済の出鱈目千万は、2チャンネルの鉄道ファン関係板までが
ボロクソですよ。
いくら悪口専用掲示板でも皆が呆れ果てているのが目に見えます。
阪神の武庫川団地前から鳴尾高校へ行くのに、何故阪神尼崎までの運賃が必要なのか?
子供まで知っているルートを逆に行ったなんて誤魔化しをするなんて。
2国の尼崎「阪神バス停から鳴尾高校付近バス停までのバス料金は私費で払ったのか」?なんて大皮肉まで書かれています。
旅費だけでも徹底的に追求して戴きたいです--、99.99%が出鱈目だと想いますが。
矢張り旅費は「実費弁済」でないと税金の大無駄ずかいになります。
野々村元議員の出張費用弁済の出鱈目千万は、2チャンネルの鉄道ファン関係板までが
ボロクソですよ。
いくら悪口専用掲示板でも皆が呆れ果てているのが目に見えます。
阪神の武庫川団地前から鳴尾高校へ行くのに、何故阪神尼崎までの運賃が必要なのか?
子供まで知っているルートを逆に行ったなんて誤魔化しをするなんて。
2国の尼崎「阪神バス停から鳴尾高校付近バス停までのバス料金は私費で払ったのか」?なんて大皮肉まで書かれています。
旅費だけでも徹底的に追求して戴きたいです--、99.99%が出鱈目だと想いますが。
矢張り旅費は「実費弁済」でないと税金の大無駄ずかいになります。
_ km ― 2014年07月17日 11:38
1~6のすべてのご見解に賛同します。
特に下記の点は、国民が本当に切に願っていることです。
> 野々村氏個人を切り捨てることによって幕引きを図ることは許されるものではありません。
> この事件が個人を叩くだけで終わることなく、公費支出の制度的不備、ひいては全国の自治体にある同じような問題点の是正へと向かわせる契機となるよう、掘り下げた報道がなされることを望みます。
日本だからでしょうか、臭いものには蓋をして、とことん究明して膿を出そうとしないのは。
もう、こんなこと止めてほしい。
政治の世界のことは、すべての国民の手本になってしまうんですよ。特に若い人たちに、大人たちがやっていることだから、と同じことをするようになってほしくない。
そして、そんな世界に絶望して、人生を無駄にしてほしくない。
だから、このような機会はその連鎖を止めるチャンスです。
真相究明・改革の壁が、ベテランであっても年寄りであっても、怖気づいてはいけない。
もう、いい加減に止めてほしいよ。
丸尾先生、応援しています。
特に下記の点は、国民が本当に切に願っていることです。
> 野々村氏個人を切り捨てることによって幕引きを図ることは許されるものではありません。
> この事件が個人を叩くだけで終わることなく、公費支出の制度的不備、ひいては全国の自治体にある同じような問題点の是正へと向かわせる契機となるよう、掘り下げた報道がなされることを望みます。
日本だからでしょうか、臭いものには蓋をして、とことん究明して膿を出そうとしないのは。
もう、こんなこと止めてほしい。
政治の世界のことは、すべての国民の手本になってしまうんですよ。特に若い人たちに、大人たちがやっていることだから、と同じことをするようになってほしくない。
そして、そんな世界に絶望して、人生を無駄にしてほしくない。
だから、このような機会はその連鎖を止めるチャンスです。
真相究明・改革の壁が、ベテランであっても年寄りであっても、怖気づいてはいけない。
もう、いい加減に止めてほしいよ。
丸尾先生、応援しています。
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野々村さんの一件で、丸尾さんのことを知りました。
野々村さんの、自身の政務調査費に関する言動が事実だとすれば、言うまでもなくとても許されない言動であると感じます。
しかし、野々村さんを見ていると、ある意味でこの人もかわいそうな一面があると思います。
報道されていることが事実であれば、一家でとても「条件がいい」とは言えない家に住み、
少しでも自身と家族の環境を良くするために勉強、勉強・・・の毎日。
このような生活環境、教育環境では「のびのびした社会人」が育つのは至難の業だと感じます。(もちろん、このような環境で育った人、みんながそうではありませんが・・・)
そして、政治家になろうとすると、目をむくような供託金のハードル。
(これについては、すぐろ奈緒さんが訴えられていますが、すぐろさんのおっしゃる通りだと思います。)
緑の党の政策を見せて頂くと、今のわが国の問題点(供託金問題や教育のあり方、社会保障といった点)に対する処方箋が見事にかかれていると思います。
丸尾さんの今後の活躍を期待するのはもちろんのこと、近い将来、緑の党が是非国政与党になって頂くことを期待します。