高齢者医療費負担増と子ども医療費無料化2016-12-02 10:38

 厚労省が、医療保険制度の見直し案を示しました。高額所得者の負担増は止むを得ないと思いますが、住民税非課税世帯を除き年収370万円未満の低所得者の高額療養費の限度額も引き上げられます。医療費の増大が背景にあるのですが、格差の拡大に追い打ちをかけるもので、大きな疑問が残ります。

 一方で、地方自治体においては、自治体財政を活用し、子どもの医療費の無料化が進められています。全ての子どもたちが医療にかかれるように、低所得者や重病である子どもの医療費負担の軽減を図ることには賛成です。

 しかし、一律に無料化というのは、受診機会が増え医療費を押し上げることにもつながりますし、投薬や検査で、必要以上に子どもの体に負荷をかけることにもつながる可能性があります。負担は軽く、でも一部負担することで、本当に医師にかかり投薬の必要があるのか、考えるきっかけになるのではないでしょうか。

 高齢者医療費も子ども医療費も、国の大きな財布ということを考えると、連動するものです。医療費全体が増大して行く中、ジェネリック医薬品の活用などもしながら、どちらも大きな負担増にならないよう、バランスを取りながら運営していく必要があります。