選挙報告会開催についてのお詫び ― 2025-05-16 15:35
一昨年の県議会議員選挙後に行った4月23日県政(選挙)報告会について、下記の法律に違反するとの指摘があります。
公職選挙法第178条第1項第1号では、挨拶する目的をもって、選挙人に対して個別訪問することや、当選祝賀会やその他の集会を開催することが禁じられています。またこれを受け、同法第245条は「第178条の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。」と規定しています。それに該当するのではとの指摘です。
この点、公職選挙法第178条第1項の立法趣旨は、挨拶行為を制限し、お金のかからない選挙を目指すことと、期日後の挨拶行為が事後買収の温床となりやすいという点にあります。
そもそも新任期の取り組み方針を表明するなど県政報告を行うことを目的とし、類似の会合が一般的に行われていることから法的に全く問題ないと思い選挙報告会を開催しましたが、挨拶目的の祝賀会ではないかとの指摘もあり、公職選挙法違反容疑で告発されました。
今回本件が検察に書類送検され、近々判断が下されるものと思います。大きな問題にはならないと考えていますが、検察の判断を待ちたいと思います。
誤解を生む会合を開催したことを皆さんにお詫びすると共に、今後は誤解を受けないよう対応していきたいと思います。
公職選挙法第178条第1項第1号では、挨拶する目的をもって、選挙人に対して個別訪問することや、当選祝賀会やその他の集会を開催することが禁じられています。またこれを受け、同法第245条は「第178条の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。」と規定しています。それに該当するのではとの指摘です。
この点、公職選挙法第178条第1項の立法趣旨は、挨拶行為を制限し、お金のかからない選挙を目指すことと、期日後の挨拶行為が事後買収の温床となりやすいという点にあります。
そもそも新任期の取り組み方針を表明するなど県政報告を行うことを目的とし、類似の会合が一般的に行われていることから法的に全く問題ないと思い選挙報告会を開催しましたが、挨拶目的の祝賀会ではないかとの指摘もあり、公職選挙法違反容疑で告発されました。
今回本件が検察に書類送検され、近々判断が下されるものと思います。大きな問題にはならないと考えていますが、検察の判断を待ちたいと思います。
誤解を生む会合を開催したことを皆さんにお詫びすると共に、今後は誤解を受けないよう対応していきたいと思います。
SNS虚偽情報拡散、犬笛からみんなの言論と命を守る! ― 2025-05-03 11:50
5月3日、赤報隊を名乗る人物が朝日新聞を襲撃し小尻記者が殺害されてから38年が経ちました。今、日本において安心して発言できる「言論の自由」はあるのでしょうか。
私は、昨年兵庫県議会百条委員会委員になり、力不足でしたが真相解明に努めてきました。ところが、百条委員会スタート後、私や他の百条委員会委員等に関する虚偽情報が流されるようになり、私も様々な攻撃、誹謗中傷を受けました。
政治団体代表が、「竹内と丸尾のところに行く」と犬笛を吹いた後、匿名人物から私たちへの攻撃が激化。つい最近も「お前も県民局長みたいに自殺しろよ。早く早く」と、自殺を促すメールが1分おきに約12400通届きました。その攻撃は、攻撃対象が亡くなれば終わりではなく、亡くなった後も続きます。
終わりのない攻撃で、安心して暮らせる社会の基盤は間違いなく壊れていきます。
虚偽情報拡散が人の命を奪う力を持っており、SNSでの虚偽情報を拡散させないルール作りとペナルティー強化は急務です。それがみんなの言論と命を守ることに繋がります。
私は、昨年兵庫県議会百条委員会委員になり、力不足でしたが真相解明に努めてきました。ところが、百条委員会スタート後、私や他の百条委員会委員等に関する虚偽情報が流されるようになり、私も様々な攻撃、誹謗中傷を受けました。
政治団体代表が、「竹内と丸尾のところに行く」と犬笛を吹いた後、匿名人物から私たちへの攻撃が激化。つい最近も「お前も県民局長みたいに自殺しろよ。早く早く」と、自殺を促すメールが1分おきに約12400通届きました。その攻撃は、攻撃対象が亡くなれば終わりではなく、亡くなった後も続きます。
終わりのない攻撃で、安心して暮らせる社会の基盤は間違いなく壊れていきます。
虚偽情報拡散が人の命を奪う力を持っており、SNSでの虚偽情報を拡散させないルール作りとペナルティー強化は急務です。それがみんなの言論と命を守ることに繋がります。
SNS虚偽情報拡散、犬笛からみんなの言論と命を守る! ― 2025-05-03 11:50

5月3日、赤報隊を名乗る人物が朝日新聞を襲撃し小尻記者が殺害されてから38年が経ちました。今、日本において安心して発言できる「言論の自由」はあるのでしょうか。
私は、昨年兵庫県議会百条委員会委員になり、力不足でしたが真相解明に努めてきました。ところが、百条委員会スタート後、私や他の百条委員会委員等に関する虚偽情報が流されるようになり、私も様々な攻撃、誹謗中傷を受けました。
政治団体代表が、「竹内と丸尾のところに行く」と犬笛を吹いた後、匿名人物から私たちへの攻撃が激化。つい最近も「お前も県民局長みたいに自殺しろよ。早く早く」と、自殺を促すメールが1分おきに約12400通届きました。その攻撃は、攻撃対象が亡くなれば終わりではなく、亡くなった後も続きます。
終わりのない攻撃で、安心して暮らせる社会の基盤は間違いなく壊れていきます。
虚偽情報拡散が人の命を奪う力を持っており、SNSでの虚偽情報を拡散させないルール作りとペナルティー強化は急務です。それがみんなの言論と命を守ることに繋がります。
私は、昨年兵庫県議会百条委員会委員になり、力不足でしたが真相解明に努めてきました。ところが、百条委員会スタート後、私や他の百条委員会委員等に関する虚偽情報が流されるようになり、私も様々な攻撃、誹謗中傷を受けました。
政治団体代表が、「竹内と丸尾のところに行く」と犬笛を吹いた後、匿名人物から私たちへの攻撃が激化。つい最近も「お前も県民局長みたいに自殺しろよ。早く早く」と、自殺を促すメールが1分おきに約12400通届きました。その攻撃は、攻撃対象が亡くなれば終わりではなく、亡くなった後も続きます。
終わりのない攻撃で、安心して暮らせる社会の基盤は間違いなく壊れていきます。
虚偽情報拡散が人の命を奪う力を持っており、SNSでの虚偽情報を拡散させないルール作りとペナルティー強化は急務です。それがみんなの言論と命を守ることに繋がります。
丸尾選挙(県政)報告会について ― 2025-03-28 18:38
意見書
弁護士
1 主位的主張(構成要件該当性の欠如)
丸尾氏が一昨年の県議会議員選挙後に行った4月23日県政(選挙)報告会について、下記の法律に違反するとの指摘があります。
公職選挙法第178条第1項第1号では、挨拶する目的をもって、選挙人に対して個別訪問することや、当選祝賀会やその他の集会を開催することが禁じられています。またこれを受け、同法第245条は「第178条の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。」と規定しています。それに該当するのではとの指摘です。
この点、公職選挙法第178条第1項の立法趣旨は、挨拶行為を制限し、お金のかからない選挙を目指すことと、期日後の挨拶行為が事後買収の温床となりやすいという点にあります。
一方、民主主義が機能するためには、有権者の知る権利(憲法第21条1項が保障する表現の自由の一環として保障されています。)が充足されなければなりません。知る権利を実現する観点からは、国会議員・都道府県会議員・市区町村会議員が有権者に対し、国政や地方政治に関する報告を行うことは、むしろ憲法尊重擁護義務(憲法第99条)の一環としての義務にあたります。とりわけ、公職選挙法第178条1項5号の「当選祝賀会その他の集会」を拡張解釈して、「挨拶する目的」を伴わない県政集会まで禁止されるなどと解することは、集会の自由(憲法第21条1項)を保障した日本国憲法の下ではおよそ許されるものではありません。
以上より、公職選挙法第178条が禁じる祝賀会やその他の集会とは、あくまでも挨拶を目的とした集会に限定されます。
この点、丸尾氏の集会は、①表題が「選挙報告会」ないし「県政報告会」であり、②行った活動も丸尾氏が取り組んでいる情報公開、人権擁護、地域経済活性化、福祉社会構築といった県政課題の報告が多くを占めていますので、「挨拶する目的」でなされた当選祝賀会に該当しないことは明白です。
なお、参考までに、公職選挙法第178条第2号が禁じる、事務所への当選御礼の張り紙はよく見かけるところですが、法的に疑問が残ることから、丸尾氏は一切そういうことは行っていません。また、この集会において提供された飲食物には、参加者は参加費を払っています。
2 予備的主張(可罰的違法性の欠如)
また、万が一、集会の一部で挨拶をした程度で挨拶目的があったとしても(そのような解釈運用が憲法21条に抵触することは前述の通り)、そのような集会の開催は、名称は別として、ほぼ全ての当選者が開催している実態があると思われます。
選挙管理委員会による当選が発表された時に、陣営が呼びかけて支援者等が集まる場合や、人々が自然に集まる場合がありますが、いずれにせよ、そこで、候補者が挨拶した時点で、挨拶を目的とした集会が開催されたと解釈するのが不合理であることは「1」で述べた通りです。少なくとも可罰的違法性は欠如していると思われます。
FB等で確認したところ、上記のような、選挙に近接して開催される集会は、以下の3種類があるようです。①当選報告会、選挙報告会と称し、当選発表後、報告会を開催する場合(名称をつけない場合あり)。②後日、選挙報告会という名称で、報告会を開催する場合。③後日、市政・県政報告会などと称し、開催する場合。なお②と③は、4年間の政策、取り組み方針の発表、会場からの意見の聞き取りなど、類似の内容になっているものと考えられます。
以上の状況を考えた時に、挨拶目的かどうか線引きは非常に難しく、政策などを含めた報告がされていれば、挨拶目的と解するのは困難と思われます。単に選挙結果とお礼を述べる場であったのみ、法に規定する挨拶目的の会合と見做すのが、憲法21条に適合する解釈です。仮に丸尾氏のような行為(詳細は「1」)が「挨拶目的」とされたとしても、この程度の行為では可罰的違法性を欠くのは明らかといえます。
公職選挙法 第178条第1項(選挙期日後の挨拶行為の制限)
何人も、選挙の期日(第百条第一項から第四項までの規定により投票を行わないこととなったときは、同条第五項の規定による告示の日)後において、当選又は落選に関し、選挙人に挨拶する目的をもって次に掲げる行為をすることができない。
第1号
選挙人に対して戸別訪問をすること。
第2号
自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書並びにインターネット等を利用する方法により頒布される文書図画を除くほか文書図画を頒布し又は掲示すること。
第3号
新聞紙又は雑誌を利用すること。
第4号
第百五十一条の五に掲げる放送設備を利用して放送すること。
第5号
当選祝賀会その他の集会を開催すること。
第6号 自動車を連ね又は隊を組んで往来する等によって気勢を張る行為をすること。
第7号 当選に関する答礼のため当選人の氏名又は政党その他の政治団体の名称を言い歩くこと。
(選挙期日後のあいさつ行為の制限違反)
第245条 第178条の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
以上
弁護士
1 主位的主張(構成要件該当性の欠如)
丸尾氏が一昨年の県議会議員選挙後に行った4月23日県政(選挙)報告会について、下記の法律に違反するとの指摘があります。
公職選挙法第178条第1項第1号では、挨拶する目的をもって、選挙人に対して個別訪問することや、当選祝賀会やその他の集会を開催することが禁じられています。またこれを受け、同法第245条は「第178条の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。」と規定しています。それに該当するのではとの指摘です。
この点、公職選挙法第178条第1項の立法趣旨は、挨拶行為を制限し、お金のかからない選挙を目指すことと、期日後の挨拶行為が事後買収の温床となりやすいという点にあります。
一方、民主主義が機能するためには、有権者の知る権利(憲法第21条1項が保障する表現の自由の一環として保障されています。)が充足されなければなりません。知る権利を実現する観点からは、国会議員・都道府県会議員・市区町村会議員が有権者に対し、国政や地方政治に関する報告を行うことは、むしろ憲法尊重擁護義務(憲法第99条)の一環としての義務にあたります。とりわけ、公職選挙法第178条1項5号の「当選祝賀会その他の集会」を拡張解釈して、「挨拶する目的」を伴わない県政集会まで禁止されるなどと解することは、集会の自由(憲法第21条1項)を保障した日本国憲法の下ではおよそ許されるものではありません。
以上より、公職選挙法第178条が禁じる祝賀会やその他の集会とは、あくまでも挨拶を目的とした集会に限定されます。
この点、丸尾氏の集会は、①表題が「選挙報告会」ないし「県政報告会」であり、②行った活動も丸尾氏が取り組んでいる情報公開、人権擁護、地域経済活性化、福祉社会構築といった県政課題の報告が多くを占めていますので、「挨拶する目的」でなされた当選祝賀会に該当しないことは明白です。
なお、参考までに、公職選挙法第178条第2号が禁じる、事務所への当選御礼の張り紙はよく見かけるところですが、法的に疑問が残ることから、丸尾氏は一切そういうことは行っていません。また、この集会において提供された飲食物には、参加者は参加費を払っています。
2 予備的主張(可罰的違法性の欠如)
また、万が一、集会の一部で挨拶をした程度で挨拶目的があったとしても(そのような解釈運用が憲法21条に抵触することは前述の通り)、そのような集会の開催は、名称は別として、ほぼ全ての当選者が開催している実態があると思われます。
選挙管理委員会による当選が発表された時に、陣営が呼びかけて支援者等が集まる場合や、人々が自然に集まる場合がありますが、いずれにせよ、そこで、候補者が挨拶した時点で、挨拶を目的とした集会が開催されたと解釈するのが不合理であることは「1」で述べた通りです。少なくとも可罰的違法性は欠如していると思われます。
FB等で確認したところ、上記のような、選挙に近接して開催される集会は、以下の3種類があるようです。①当選報告会、選挙報告会と称し、当選発表後、報告会を開催する場合(名称をつけない場合あり)。②後日、選挙報告会という名称で、報告会を開催する場合。③後日、市政・県政報告会などと称し、開催する場合。なお②と③は、4年間の政策、取り組み方針の発表、会場からの意見の聞き取りなど、類似の内容になっているものと考えられます。
以上の状況を考えた時に、挨拶目的かどうか線引きは非常に難しく、政策などを含めた報告がされていれば、挨拶目的と解するのは困難と思われます。単に選挙結果とお礼を述べる場であったのみ、法に規定する挨拶目的の会合と見做すのが、憲法21条に適合する解釈です。仮に丸尾氏のような行為(詳細は「1」)が「挨拶目的」とされたとしても、この程度の行為では可罰的違法性を欠くのは明らかといえます。
公職選挙法 第178条第1項(選挙期日後の挨拶行為の制限)
何人も、選挙の期日(第百条第一項から第四項までの規定により投票を行わないこととなったときは、同条第五項の規定による告示の日)後において、当選又は落選に関し、選挙人に挨拶する目的をもって次に掲げる行為をすることができない。
第1号
選挙人に対して戸別訪問をすること。
第2号
自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書並びにインターネット等を利用する方法により頒布される文書図画を除くほか文書図画を頒布し又は掲示すること。
第3号
新聞紙又は雑誌を利用すること。
第4号
第百五十一条の五に掲げる放送設備を利用して放送すること。
第5号
当選祝賀会その他の集会を開催すること。
第6号 自動車を連ね又は隊を組んで往来する等によって気勢を張る行為をすること。
第7号 当選に関する答礼のため当選人の氏名又は政党その他の政治団体の名称を言い歩くこと。
(選挙期日後のあいさつ行為の制限違反)
第245条 第178条の規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
以上
百条委員会報告書 知事のパワーハラスメントについて ― 2025-03-08 17:54
(1) 委員会としての判断
ア 認められる事実
知事のパワーハラスメントについて
㋐ 齋藤知事は、令和3年9月頃、朝刊に載っていた尼崎のフェニックス用地に万博資材の運搬拠点を設ける方針を固めたという記事について、「こんな話は聞いていない」と机を叩きながら声を荒げて怒った。
㋑ 令和5年5月、施設の開設について、齋藤知事に説明したところ、「こんな話聞いていない」と叱責があり、令和5年度当初予算の記者発表資料を見せたところ、「これで知事が知っていると思うなよ」という強い叱責が再びあり、開所式のスケジュールを変更せざるを得なくなった。
㋒ 齋藤知事は、令和4年10月のイベントで、更衣室に見知らぬ男性がいたため驚いて、事前に確認して更衣室を用意しておくべきだったのではないかと職員に注意した。
㋓ 齋藤知事は、令和5年11月の東播磨地域づくり懇話会において、エントランスにつながる通路の車止めの手前で知事公用車が停車して車から降りてきた時に、「なんでこんなところに車止めを置いたままにしているんや」と県幹部職員に対し怒鳴った。当該職員は、非常に強い叱責のため頭の中が真っ白になった状態で車止めを移動させた。知事は、職員が車止めを移動させた後も非常に強い叱責をした。職員は、社会通念上、業務に必要な範囲の指導とは思わず、理不尽な叱責を受けたと感じた。その後、知事が会場を後にする際、職員に対し、謝罪やねぎらいはなかった。
㋔ 齋藤知事は、片山氏に対し、令和6年3月上旬頃、県立大学の無償化の国会議員等への根回しに、すぐ動くようにと指示したことを片山氏が忘れていたことに怒り、アクリル板に向けて付箋を投げた。
㋕ 齋藤知事は、所管課長に対し、令和5年1月の知事協議の際に、政務調査会資料に記載のあった所管事業が朝刊に載っていた記事を見て、「大阪府と連携すると書いている。これ聞いてへん。この事業は知事直轄なんだから勝手にやるな」と、かなり厳しい口調で叱責し、「やり直し」と所管課長を知事室から退室させた。所管課長は再度、知事に説明しようと何度も秘書課に伝えたが、説明の機会がなかった。所管課長は1年で異動した。
㋖ 齋藤知事は、令和5年度、複数の幹部職員との間で、全部で4,885件のチャットのやり取りをし、そのうち約44%の2,165件が夜間や休日に送られた。
イ 事実に対する評価
齋藤知事が、執務室や出張先で職員に強い叱責をしたことは事実と評価でき、文書内容は概ね事実であったと言える。
齋藤知事の「業務上必要な範囲で指導や注意をした」との証言に対して、叱責を受けた側の証言では、事情を確認されることなく「社会通念上必要な範囲とは思わなかった」「指導として必要のない行為」「理不尽な𠮟責だった」、「県職員になってこれまでないというぐらいの叱責を受けた」や、「県庁での職員生活の中で、机をたたいて怒鳴られたというようなことが初めてだった」、他の職員がいる前で「頭が真っ白になるほどの叱責」、さらに「異動させられるという予感のもと実際に1年で異動させられ理不尽と感じた」「トータルに見てパワーハラスメントと評価できる事案かなと思った」等の証言があったことを踏まえると、「パワハラを受けた」との証言は無かったものの、パワハラ防止指針が定めるパワハラの定義である「①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすもの」に該当する可能性があり、不適切な叱責があったと言わざるを得ない。
県事業がテレビで取り上げられた件であるが、県の事業は膨大にあるため、テレビで知事の知らないことが取り上げられることもあり、「聞いていない」ことを理由に職員を叱責することは妥当性を欠いた行為である。仮に叱責することがあるとすれば、テレビでの県職員の説明に大きな過失があり、県に損害を生じさせる恐れがあった場合などが考えられるが、証言等で明らかになったケースは、そのような場合にあたらない。
知事協議の際の叱責であるが、部局の説明をよく聞いていない、あるいは聞いていても失念していると思われる事業に対して、全く知らないということで、説明する機会も与えずに「聞いていない」と叱責するとの証言が複数あったことから、事業への関心の度合によって、認識の深さに差が生じていると思われる。また、部局の説明時に齋藤知事は別のことをしているなど、説明を真剣に聞いていないと感じたとの証言があったことも踏まえ、どの事業も同じ目線で担当課の説明を聞くという姿勢が欠けており、知事としての対応に疑問が残る。
考古博物館で20m歩かされた件に関連して、齋藤知事の発言から行程管理を重要視していることは理解できる一方で、知事自身が朝の予定時間によく遅れてくる、また、その際に謝らないこともあるとの証言もあることから、部下には高い水準を課しながら、自分はその基準を守らず特別扱いとする態度は、公平性と信頼を損なう言動であり、本来は模範となるべき知事の取る言動ではない。また、齋藤知事は車から降りるなり、対応した職員に対し、車止めをしている理由を聞くこともなく、大声で叱責をしている。職員からすれば、車止めを入り口から20m離れたところに設置したことは会場施設のルール上やむを得ないものであり、車止めを認識した後も強い叱責することは不合理であり、極めて理不尽な叱責であると言える。
叱責の際に付箋を投げる行為は、知事という立場に鑑みると、投げたものの形状にかかわらず、その行為自体威圧的なものであり、副知事その他職員を萎縮させるものである。
齋藤知事の非常に強い叱責や理不尽な言動によって、職員が齋藤知事に忖度せざるを得ず、救護室・授乳室を知事の控室にしたり、車両が通行できない範囲に知事公用車を通行させたりする等、ルールに則った県民本位の職務遂行が叶わなくなっている面があり、極めて深刻な事態が確認できた。
また、強い叱責を受けた当事者本人の就業環境に明らかな影響がなくとも、実際に見聞きしている同僚への心理的負担や組織の閉塞感につながり、適切な職場環境を構築するべき組織のトップの言動としては極めて不適切である。
さらに、職員の証言や提出資料によると、齋藤知事から幹部職員へのチャットの数は膨大なもので時間外や休日問わず頻繁に送られていた。1年間に複数の幹部職員との間で夜間、休日などの業務時間外のチャット数は2,165件と多く、その内容については業務上必要性が認められるものもあるが、夜間や休日に送信しなくても問題ないと思われるものもあった。もっとも、夜間、休日の送信頻度や「返信不要」などの配慮がないこと、チャットでの反応がない時に関係職員に業務時間外に電話をかける行為もあり、緊急性を要しないにもかかわらず、夜間や休日にクイックレスポンスを求めることは働き方改革が求められる今日において、前時代的な仕事のやり方であると言わざるを得ず、業務の適正な範囲を超えたものであり、就業環境を害されているといえる。また、チャットのグループ内で叱責するなど一部の内容については、職員らの過度な精神的負担になっていたと考えられる。
以上のように、齋藤知事の言動、行動については、パワハラ行為と言っても過言ではない不適切なものだった。
(2) 提言
証言にもあるように、明らかに業務上必要な叱責ではなかったことも認められるが、齋藤知事は「業務上必要な範囲で指導や注意をした」との認識を変えていない。業務上必要な範囲ではない、不適切な指導が複数あったということをまずは知事自身が認めることが重要であり、言動を真に改める姿勢を持たなければならない。
一方で、昨年4月4日付けの職員公益通報事案の調査結果及び公益通報委員会の審議等を踏まえ、12月11日に「県民の信頼確保に向けた改善策の実施」の中でハラスメント研修の充実として組織マネジメント力向上特別研修の実施が是正措置として記者発表され、一定の措置が講じられており、是正する必要があるとの認識が示されていると考えられる。
知事当局に以下のことを求める。
・知事、副知事などの特別職を含め管理職等のアンガーマネジメント研修などを行い、風通しの良い職場環境が確立できているか定期的に検証する仕組みを取り入れること。
・チャットやメールについては、特に夜間や休日に指示をする際には、緊急性を要する用件のものに限るか、緊急性がないチャットやメールには即時の返信を必要としない、あるいは返信を求めないなど取り扱いを定めること。
・齋藤知事は、組織のトップとして、自身の言動が組織に及ぼす影響を常に意識するとともに、多様な意見に耳を傾けることで率先して働きやすい職場づくりに努めること。
報告書全文
https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/iinkai/index/tokubetsu/bunsho/documents/bunshohoukokusho.pdf
ア 認められる事実
知事のパワーハラスメントについて
㋐ 齋藤知事は、令和3年9月頃、朝刊に載っていた尼崎のフェニックス用地に万博資材の運搬拠点を設ける方針を固めたという記事について、「こんな話は聞いていない」と机を叩きながら声を荒げて怒った。
㋑ 令和5年5月、施設の開設について、齋藤知事に説明したところ、「こんな話聞いていない」と叱責があり、令和5年度当初予算の記者発表資料を見せたところ、「これで知事が知っていると思うなよ」という強い叱責が再びあり、開所式のスケジュールを変更せざるを得なくなった。
㋒ 齋藤知事は、令和4年10月のイベントで、更衣室に見知らぬ男性がいたため驚いて、事前に確認して更衣室を用意しておくべきだったのではないかと職員に注意した。
㋓ 齋藤知事は、令和5年11月の東播磨地域づくり懇話会において、エントランスにつながる通路の車止めの手前で知事公用車が停車して車から降りてきた時に、「なんでこんなところに車止めを置いたままにしているんや」と県幹部職員に対し怒鳴った。当該職員は、非常に強い叱責のため頭の中が真っ白になった状態で車止めを移動させた。知事は、職員が車止めを移動させた後も非常に強い叱責をした。職員は、社会通念上、業務に必要な範囲の指導とは思わず、理不尽な叱責を受けたと感じた。その後、知事が会場を後にする際、職員に対し、謝罪やねぎらいはなかった。
㋔ 齋藤知事は、片山氏に対し、令和6年3月上旬頃、県立大学の無償化の国会議員等への根回しに、すぐ動くようにと指示したことを片山氏が忘れていたことに怒り、アクリル板に向けて付箋を投げた。
㋕ 齋藤知事は、所管課長に対し、令和5年1月の知事協議の際に、政務調査会資料に記載のあった所管事業が朝刊に載っていた記事を見て、「大阪府と連携すると書いている。これ聞いてへん。この事業は知事直轄なんだから勝手にやるな」と、かなり厳しい口調で叱責し、「やり直し」と所管課長を知事室から退室させた。所管課長は再度、知事に説明しようと何度も秘書課に伝えたが、説明の機会がなかった。所管課長は1年で異動した。
㋖ 齋藤知事は、令和5年度、複数の幹部職員との間で、全部で4,885件のチャットのやり取りをし、そのうち約44%の2,165件が夜間や休日に送られた。
イ 事実に対する評価
齋藤知事が、執務室や出張先で職員に強い叱責をしたことは事実と評価でき、文書内容は概ね事実であったと言える。
齋藤知事の「業務上必要な範囲で指導や注意をした」との証言に対して、叱責を受けた側の証言では、事情を確認されることなく「社会通念上必要な範囲とは思わなかった」「指導として必要のない行為」「理不尽な𠮟責だった」、「県職員になってこれまでないというぐらいの叱責を受けた」や、「県庁での職員生活の中で、机をたたいて怒鳴られたというようなことが初めてだった」、他の職員がいる前で「頭が真っ白になるほどの叱責」、さらに「異動させられるという予感のもと実際に1年で異動させられ理不尽と感じた」「トータルに見てパワーハラスメントと評価できる事案かなと思った」等の証言があったことを踏まえると、「パワハラを受けた」との証言は無かったものの、パワハラ防止指針が定めるパワハラの定義である「①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすもの」に該当する可能性があり、不適切な叱責があったと言わざるを得ない。
県事業がテレビで取り上げられた件であるが、県の事業は膨大にあるため、テレビで知事の知らないことが取り上げられることもあり、「聞いていない」ことを理由に職員を叱責することは妥当性を欠いた行為である。仮に叱責することがあるとすれば、テレビでの県職員の説明に大きな過失があり、県に損害を生じさせる恐れがあった場合などが考えられるが、証言等で明らかになったケースは、そのような場合にあたらない。
知事協議の際の叱責であるが、部局の説明をよく聞いていない、あるいは聞いていても失念していると思われる事業に対して、全く知らないということで、説明する機会も与えずに「聞いていない」と叱責するとの証言が複数あったことから、事業への関心の度合によって、認識の深さに差が生じていると思われる。また、部局の説明時に齋藤知事は別のことをしているなど、説明を真剣に聞いていないと感じたとの証言があったことも踏まえ、どの事業も同じ目線で担当課の説明を聞くという姿勢が欠けており、知事としての対応に疑問が残る。
考古博物館で20m歩かされた件に関連して、齋藤知事の発言から行程管理を重要視していることは理解できる一方で、知事自身が朝の予定時間によく遅れてくる、また、その際に謝らないこともあるとの証言もあることから、部下には高い水準を課しながら、自分はその基準を守らず特別扱いとする態度は、公平性と信頼を損なう言動であり、本来は模範となるべき知事の取る言動ではない。また、齋藤知事は車から降りるなり、対応した職員に対し、車止めをしている理由を聞くこともなく、大声で叱責をしている。職員からすれば、車止めを入り口から20m離れたところに設置したことは会場施設のルール上やむを得ないものであり、車止めを認識した後も強い叱責することは不合理であり、極めて理不尽な叱責であると言える。
叱責の際に付箋を投げる行為は、知事という立場に鑑みると、投げたものの形状にかかわらず、その行為自体威圧的なものであり、副知事その他職員を萎縮させるものである。
齋藤知事の非常に強い叱責や理不尽な言動によって、職員が齋藤知事に忖度せざるを得ず、救護室・授乳室を知事の控室にしたり、車両が通行できない範囲に知事公用車を通行させたりする等、ルールに則った県民本位の職務遂行が叶わなくなっている面があり、極めて深刻な事態が確認できた。
また、強い叱責を受けた当事者本人の就業環境に明らかな影響がなくとも、実際に見聞きしている同僚への心理的負担や組織の閉塞感につながり、適切な職場環境を構築するべき組織のトップの言動としては極めて不適切である。
さらに、職員の証言や提出資料によると、齋藤知事から幹部職員へのチャットの数は膨大なもので時間外や休日問わず頻繁に送られていた。1年間に複数の幹部職員との間で夜間、休日などの業務時間外のチャット数は2,165件と多く、その内容については業務上必要性が認められるものもあるが、夜間や休日に送信しなくても問題ないと思われるものもあった。もっとも、夜間、休日の送信頻度や「返信不要」などの配慮がないこと、チャットでの反応がない時に関係職員に業務時間外に電話をかける行為もあり、緊急性を要しないにもかかわらず、夜間や休日にクイックレスポンスを求めることは働き方改革が求められる今日において、前時代的な仕事のやり方であると言わざるを得ず、業務の適正な範囲を超えたものであり、就業環境を害されているといえる。また、チャットのグループ内で叱責するなど一部の内容については、職員らの過度な精神的負担になっていたと考えられる。
以上のように、齋藤知事の言動、行動については、パワハラ行為と言っても過言ではない不適切なものだった。
(2) 提言
証言にもあるように、明らかに業務上必要な叱責ではなかったことも認められるが、齋藤知事は「業務上必要な範囲で指導や注意をした」との認識を変えていない。業務上必要な範囲ではない、不適切な指導が複数あったということをまずは知事自身が認めることが重要であり、言動を真に改める姿勢を持たなければならない。
一方で、昨年4月4日付けの職員公益通報事案の調査結果及び公益通報委員会の審議等を踏まえ、12月11日に「県民の信頼確保に向けた改善策の実施」の中でハラスメント研修の充実として組織マネジメント力向上特別研修の実施が是正措置として記者発表され、一定の措置が講じられており、是正する必要があるとの認識が示されていると考えられる。
知事当局に以下のことを求める。
・知事、副知事などの特別職を含め管理職等のアンガーマネジメント研修などを行い、風通しの良い職場環境が確立できているか定期的に検証する仕組みを取り入れること。
・チャットやメールについては、特に夜間や休日に指示をする際には、緊急性を要する用件のものに限るか、緊急性がないチャットやメールには即時の返信を必要としない、あるいは返信を求めないなど取り扱いを定めること。
・齋藤知事は、組織のトップとして、自身の言動が組織に及ぼす影響を常に意識するとともに、多様な意見に耳を傾けることで率先して働きやすい職場づくりに努めること。
報告書全文
https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/iinkai/index/tokubetsu/bunsho/documents/bunshohoukokusho.pdf
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