兵庫県会議長に政活費広報紙代見直し申し入れ 一部違法可能性も?2018-06-04 18:17

 本日4日、黒川治県議会議長に政務活動費で発行する県政報告紙の支出方法等の見直しを求める申し入れ書を提出しました。

 今年4月に尼崎市議会新政会、維新の会が、政務活動費から会派広報紙代を支出したことについて、神戸地裁判決は、議員の顔写真及び肩書き、特技・趣味等のプロフィール等については、「議員個人の周知及び宣伝を目的としたものである」とし、紙面の面積割合に応じて、両会派は尼崎市に政務活動費を返還すべきとしました。尼崎市は、4月25日に大阪高裁に控訴しましたが、最近、同様の判決が続き、司法の判断の流れは、ある程度固まりつつあるものと考えられます。

 2016年度兵庫県議会の政務調査費から支出された広報紙を見てみると、2016年度の支出総額は約3億230万円になり、そのうち広報広聴費は約1億1576万円で全体の38.3%になります。その中で、私が確認した広報紙代として支出された額は約9920万円で全体の32.8%になります。

 神戸地裁の判決などに沿って、自己宣伝に公費を支出するのは不適切だと考え、以下の整理をしました。
3会派、全議員の広報紙を確認したところ、面積比で適切に案分しているのは、7人の広報紙の一部だけでした。

 一方で、最も問題があると考えられるのは、はがきを使った広報紙です。記事の掲載スペースが狭く、県政情報を県民に伝えるよりも、自己の宣伝をすることが、主目的であるとも考えられます。
他の県政報告紙についても、適正な案分をしていると考えられるのは、151件中11件(7人)のみで残りの140件(61人)は、不適正な案分率になっています。その中で、はがきを使ったものや顔写真が大きく掲載されているものなど裁判になれば、違法支出だと認定されるものが出てくる可能性があります。

 以上のことを踏まえ、自己宣伝部分を面積比で案分した私の試算では、政務活動費について、自民党県議団は31人から約625万円が、公明党県民会議は9人から約315万円が、ひょうご県民連合は会派と9人から約244万円が、維新の会は会派と5人から約113万円が、共産党議員団は会派と5人から約68万円が、無所属議員は2人から約37万円が、合計3会派と61人から1402万円が余分に支出されたと考えられます。但し、これがただちに違法という判断されるものではありません。

以上のことを踏まえ、次のことを申し入れます。

申し入れ事項
1. はがきを使った県政報告紙の発行を認めないこと。
2. 公費支出ができない記事を明確にすること。
議員名、会派・政党名、特技・肩書き等のプロフィール、一般的な挨拶文、本人のみ掲載の写真、会派の集合写真、後援会記事、議員への応援メッセージ、日にちと訪問場所の羅列、県政に関する十分な説明のない議員の活動写真の掲載
3.顔写真の大きさについて、読者が十分認識できる縦横3cm以内にするなどポスターのようなチラシにならないよう規定を設けること。
3. 各会派バラバラの案分率を統一すること。但し、実態よりも厳しい案分率を設定している場合は、その判断を尊重すること。
4. 新聞記事等の転載は発行主体の許可を得ること。
5.HP、ブログ等についても、同様の考え方を取ること。