以前PTA会長として、卒業式で卒業生に贈った言葉2022-03-11 17:27

昨日が中学校の卒業式でした。
以前PTA会長として、卒業式で卒業生に贈った言葉です。
卒業生の皆さんには、「命を次に繋ぐこと」(より良い社会を子どもたちに手渡していくこと)を考えながら、これからの人生を精一杯楽しんでいって欲しいと思います。
祝 辞
三年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。何よりまず、多くの親の気持ちを代弁させていただくと、「生まれてきてくれてありがとう。」「ここまで大きく育ってくれてありがとう」と心から思っています。皆さん一人一人の存在に喜びを感じ、皆さんから生きる力をもらっています。
ここで、卒業生の皆さんには、私の失敗談をお伝えし、皆さんの人生のヒントになることを、見つけていただければと思います。
私は、中学生の時に、体育の先生になりたいと思っていましたが、高校一年生の時に先輩と喧嘩して水泳部を辞め、推薦入学の道が断たれ、その夢は諦めました。高校三年生の時に、自動車整備士になりたいと思い、大学は工学部に入りました。しかし、大学を卒業して始めた仕事は、有機野菜を販売する八百屋でした。
それは、大学生の時に、環境問題や食の安全性について書かれた本を読み、問題意識を持ち始め、併せて癌になったジャーナリストの闘病記を読み、人が生きている時間は限られており、一日一日を大切に過ごすことを学んだからです。
その時期に祖父母を、火事で一瞬のうちに亡くしたことも、私の人生を大きく変えるきっかけになりました。
「人は何のために生きているのか?」長期間悩み、出した私の答えは、「人は所詮動物であり、子孫を残すことが大きな役割のひとつ」、併せて、子どもを産む産まないに関わらず、「子どもたち次の世代が安心して生きていける、暮らしていける、住みよい環境を残すことがもう一つの大きな役割」だと強く思うようになりました。
そして、その実現のために出した答えが、環境と人に優しい有機野菜の八百屋の開業でした。その「テーマ」の延長線上で現在兵庫県議をしています。
皆さんは、私のように右往左往しないよう、今から、生きる目的、意味を考え、仕事に関して、沢山の人の話を聞き、働いている人の姿を見て、将来の職業についてじっくり考えてみていただきたいと思います。
そんな人生の選択をしてきた私が、今まで最も楽しかったと思うことは、たくさんの人と出会えたことです。多くの友人・知人、八百屋のお客さん、先生方、PTAの方々、そして父・母、家族との出会いです。一人一人から大切なことを学び、喜びや悲しみを分かち合い、様々な場面で応援してくれました。
一方、最も大きな心残りのひとつは、中学一年生の時に仲の良かった友人との別れです。些細なことで喧嘩をし、口を聞かなくなり、そのまま中学校を卒業し、それきりになっています。もし、皆さんの中で友達と喧嘩をしたままになっている人がいれば、今日が最後の仲直りのチャンスです。「またな」「今までありがとう」何でもいいので、勇気を出してひと言声をかけてみて下さい。中学生の時の友達は、一生の友達になります。出会いを大事にして下さい。
迷った時は、いろんな人に意見を聞き、自分で納得するまで調べること。新聞や本も、社会の流れを知るのに、とても役立ちます。地域の問題、環境の問題、人権の問題、平和の問題など全ての問題は繋がっており、その解決のために皆さんが出来ることがあるかもしれません。人を助けることで、自分の存在を確認でき、生きていることの喜びが湧いてきます。
これからも自分の人生を、自らの力で切り開き、思い切り楽しみ、自分が納得のできる道を歩んで下さい。皆さんのことをいつまでも応援しています。
保護者の皆様、お子様のご卒業、心からお祝い申し上げます。また、この三年間、PTA活動にご協力をいただき、本当にありがとうございました。これから数年間は、子どもたちにとって、進学、就職、結婚など、次々と人生の岐路を迎えます。
現尼崎市教育長が、以前に「自分が経験した以上の困難に直面しても、それを乗り越えられる子供に育てることが大事だ」と述べられていました。私もそう思います。これから私たちは、子どもたちのことを、ずっと後ろでそっと見守る程度でいいのかもしれません。
校長先生はじめ先生方には、この三年間子どもたちを立派に育てていただき、本当にありがとうございました。子どもたちにとって、何よりの財産は、本気で向き合ってくれた先生方と出会えたことです。これからも、子どもたちが学校を訪ねたときや街角で見かけた時は、今まで通り、お声をかけていただければ幸いです。
ご来賓の皆様、本日はご多用中の中、子どもたちの卒業を共にお祝いしていただき誠にありがとうございます。これからも、子どもたちが社会そして地域の担い手へと育ってくれるよう、温かく見守っていただきたく存じます。
最後に卒業生の皆さんに、詩人である相田みつをさんの二つの詩を贈り、お祝いの言葉とさせていただきます。
「私がこの世に生れてきたのは 私でなければできない仕事が 何かひとつこの世にあるからなのだ。」「幸せはいつも自分の心が決める」
皆さんも自分探しの旅を始めて下さい。ご卒業おめでとうございます。
平成30年3月9日 尼崎市立日新中学校PTA会長 丸尾 牧
H29年卒業式
元ウルグアイ大統領ホセヒムカさんの言葉を贈り、お祝いの言葉とさせていただきます。
「人は苦しみや敗北から多くを学ぶ。以前は見えなかったことが見えるようになるから。人生のあらゆる場面で言えることだが、大事なのは失敗に学び、再び歩み始めることだ」