国に種苗法改正の廃案を求める意見書提出希望の請願に関する私の賛成討論2020-10-24 17:25

10月22日県議会最終日
国に種苗法改正の廃案を求める意見書を提出希望である請願に関する私の賛成討論です。

請願第21号第22号種苗法改正案の廃案を求める意見書提出の件について採択を求め討論いたします。
国は、種苗法改正の目的として、農家の自家採種、自家増殖を禁止することで、種子の海外流出を防止するとしています。併せて、この間、農業競争力強化支援法において、種子の知見を民間企業に提供することが盛り込まれました。
しかし、南米などで問題になりましたが、多国籍企業が種子を支配したり、多国籍企業が作る種子のシェアが拡がり、種子の値段が高騰し、農家の負担が増えていくことが、懸念されています。現に世界の種子市場は、巨大種子企業の寡占状態だと言われています。そこでは遺伝子組み換え作物なども当り前に流通しています。
種子の海外流出の防止は、農水省HPに書かれていますが、海外において、品種登録を行なうことが必要と記載されており、今回の法改正で、十分な予防が出来るわけではありません。
また、登録品種は少ないことから問題はないとも言われますが、日本種子を守る会事務局アドバイザー印やく氏が農水省の資料を纏めた雑誌記事によると、都道府県での稲の登録品種の割合は、全国平均64%で、青森県は99%、北海道88%、愛知県63%と地域差が非常に大きい状況です。
また、企業が在来種に類似した新品種を開発した場合、将来的に在来種が駆逐され、農家は企業の種を買わなければならない状況に陥る可能性があります。そうなると農家の負担が増えていくことになります。
今後、日本で考えなければならないのは、2013年に加入した「食料・農業植物遺伝資源国際条約」にある農業者の権利を謳い、国内農家の自家採種、自家増殖の権利を将来的にも保障していくことです。
ちなみに丹波市議会では、先月30日農民の権利の立法化と種苗法一部改正について慎重審議を求める意見書を内閣総理大臣等に提出しました。
それらのことを踏まえ、現在の種苗法改正案は、将来的にも、農家の権利を、確実に守るものとは思えないため、請願を採択し、国に意見書を提出すべきだと考えます。

国の責任による20人学級を展望した少人数学級の前進を求める意見書提出議案に関する私の討論2020-10-24 17:33

請願第24号国の責任による20人学級を展望した少人数学級の前進を求める意見書提出の件についても採択をすべきとの立場で討論します。
国は、現在、小学校1,2年生まで35人以下学級、それ以上は40人以下学級としています。その上に、自治体が独自財源を上乗せし、兵庫県では小学校4年生まで、35人以下学級にし、小学校5,6年生は、教科担任制を採用しています。
 そんな中、国民の間で、コロナ感染症対策として、少人数学級を求める声が急速に高まり、文部科学省は教職員定数の削減をせず30人学級にしていく検討を始めました。具体的には、今後10年間で公立小中学校の児童生徒が100万人減り、教員5万人の余剰が発生し、それにチームティーチングなどに当てている3万人を活用すれば、大きな財政負担増はなく30人以下学級実現が可能としました。
 今後、財務省と文科省の財政面での折衝が続くのでしょうが、このタイミングだからこそ、少人数学級は何人が理想的かという議論をし、それに向けて見直しを進めていければと思います。
 国立教育政策研究所が2015年3月にまとめた「学校規模が児童生徒の学力に与える影響とその過程」によると、20人以下学級であれば、個に応じた指導の準備、体験の機会、全員発言、個別学習評価などが出来るとしました。
 一方で児童の多様性を生かした集団思考、グループ間交流、児童の役割分担、多様な児童同士の相互作用など35人、40人学級の方が、効果があるとのこと。文科省の資料を見ると、フランスは小学校20人以下、ドイツは小中学校レベルで24人が標準で30人までを1クラスと認めています。
 より良い形としては、20人以下学級を原則にして、授業によっては2クラス統合でやる場合もあってもいいのだと思います。30人以下学級にすると、2クラス合同授業は最大60人となり、2クラス統合の授業運営がやりにくくなります。
 国において、あるべき少人数学級の生徒数を議論できるのは、まさに今だと思います。そのためにも、20人以下学級を展望した少人数学級の前進を求める意見書提出の請願を採択すべきだと思います。
 以上、議員のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。