大阪高裁 高浜原発運転差し止め取り消し 新たな安全神話が作られつつあるのか?2017-03-29 21:37

昨日、大津地裁が決定した高浜原発3号、4号機の運転差し止めを求める仮処分決定を、大阪高裁が取り消しました。
福島原発事故は、地震による配管破断があったのか、津波による損壊だったのか、真相解明が不十分で評価が分かれています。
地震による配管破断であったのならば、全国の原発の配管の耐震性を上げる必要があります。原子力規制委員会元委員長の島崎氏によると、基準地震動(地震による揺れの強さ)が過少評価されており、原発の耐震性は不十分だと指摘しています。
大阪高裁判決は、それらの指摘に耳を傾けないだけではなく、原発事故時の避難計画が不十分であるにも関わらず、それも容認しました。
福島原発事故時に、チェルノブイリ原発事故を踏まえ、最悪の場合、原発から170km圏は避難が必要な地域、250km圏は強制避難地域になるという想定が出されました。
原発を稼働させるかどうかは政治の判断ですが、司法の役割は、新たな安全神話を作るのではなく、経済界や電力会社のプレッシャーによってぶれていく政府の姿勢に釘を刺し、原発の安全性のチェックに力点を置くことが期待されているのではないでしょうか。