異議あり 原発廃炉費8.3兆円 新電力に上乗せ2016-09-21 14:33

 原発の廃炉費が、現在の見込みで約8.3兆円生じるようです。その費用を、政府は、新たに立ち上がった新電力に負担してもらう方向で考えているようです。具体的には、送電網の使用料に上乗せすることを検討中とのこと。
 しかし、新電力に、原発の廃炉費用を負担してもらうことは、2013年に閣議決定された「電力システム改革に関する改革方針」①広域系統運用の拡大②小売及び発電の全面自由化③法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保に逆行するものです。
 
 再生可能エネルギーだけで運営している新電力に、原発の廃炉費用を負担しろと強制するのは、おかしな話ですし、そもそも新電力は小規模のところが多いことから、電気が足りない部分は、大手電力会社から電気を買っている場合が多く、現在も原発関係の費用は、一部払っていることになります。さらに、新電力に廃炉費用を負担させるのは、原発を稼働させている大手電力会社の負担軽減にはなりますが、再生可能エネルギーの普及拡大には、大きな足かせになってしまいます。政策として、合理性、妥当性が全くありません。
 これで、今後、原発事故が起きても、大手電力会社にとっては、何の心配もすることなく原発を稼働させ続けることができます・・・。