選挙ポスター代などの公費助成上限額 お手盛りアップに反対2016-06-11 12:14

 チラシ代などをポスター代に上乗せし、公費を請求したり、公費が出ない随行車の燃料代を、選挙カーの燃料代で請求するなど、全国的に不正使用がチラホラ起こっています。市場価格を無視して、公費助成額を高く設定していることから、起こっている問題でもあります。今回、県当局から、公職選挙法の改正に合わせ、消費税値上げ分の値上げ提案がありましたが、市場価格を踏まえて設定すべきだと、昨日、県議会でただ1人反対しました。

 
 各種選挙の候補者には、選挙カーのレンタル代、運転手の人件費、ポスター代などが、公費から助成されます。得票数の少ない場合は、公費助成が出ない場合もあります。
 2014年4月に消費税が5%から8%にアップしたことから、公職選挙法の公費助成上限額が見直され、その改正に合わせ、この6月議会で、選挙カーのレンタル代1日15300円から15800円に、燃料代1日7350円から7560円に、選挙ポスター代なども、公費助成上限額がアップされる議案が、県当局から提案されました。

 しかし、各地で、公費助成対象ではないチラシ代をポスター代に上乗せしたり、選挙カーの後ろを走る随行車の燃料代を請求するなど、不正請求が後を絶ちません。
  
 昨年の兵庫県議会議員選挙においては、ある選挙区において、選挙ポスターを張り替えた形跡があまり見られないのに、選挙ポスターを、掲示板数の2倍作成し、公費を請求していた候補者が複数いました。

 私が昨年の県議選で公費助成を受けた選挙ポスター代(800枚作成し643枚分請求)は単価192円でしたが、他の候補者の中には、選挙ポスターを千枚以上作り、単価が1000円以上になっている事例もチラホラありました。私のポスターは、カラー印刷で裏がシールになっている最もグレードが高いものですが、それでも、他候補の高額なポスター代と比べると5分の1にしかなりません。
 これも、公費助成上限額が高すぎることで、価格競争のインセンティブが働いていない事例です。

 選挙カーについては、私が市議の時に、大手レンタカー会社と1日6800円で選挙カーを借りる契約を結んだのですが、選挙後、業者が請求してきたのは、公費助成上限額の1日15300円でした。クレームを出し、1日6800円に消費税をかけた額を支払いましたが、私と同じ会社で、同じ車を借りた候補者3名の公費助成額は、上限額の15300円でした。個々の契約なので、違法とまでは言えないまでも、不透明な契約が蔓延っています。

 今回の県議選において、選挙カーのレンタル代で、公費助成額の15300円を受け取っていたのは、候補者129名中35人(約27%)でした。ちなみに私のレンタカー代は、1日6480円でした。
 
 そもそも、兵庫県で条例を定めるのは、各地で実情が異なり、選挙公費助成上限額などについて独自に設定できるようにしているからです。 しかし兵庫県では、公職選挙法に定められた金額をそのまま兵庫県の条例に当てはめています。兵庫県内の市場価格を踏まえ、独自で選挙公費助成上限額を設定すべきでしょう。

 参考までに、前回の兵庫県議会議員選挙の選挙公費助成の総額は、約9700万円になります。地域差もあるでしょうから、公費助成上限額を、市場価格プラスαに設定すれば、1~2割の公費を節約できる可能性があります。

 以上のことから、選挙公費助成上限額が市場価格と比べかなり高額で、そのことで問題が起こっている可能性が高く、市場価格を踏まえない中で、選挙公費助成上限額を引き上げるべきではないと意見を述べ、条例改正案に議会でただ1人反対しました。

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