川内原発再稼働 世論に耳を向けない政権 原発は今必要か?2015-08-12 11:04

 日本の原発は世界で最も厳しい規制基準をクリアーしたものなので、安全なのだと安倍首相は強調しています。
確かに新基準は緊急時に非常用電源で対応できる期間を、アメリカの3日間程より長い7日間とするなど、厳しいものもあります。しかし、元々、日本の主な原発は第2世代の原発で、これから主流になっていくであろう第4世代の原発とは、安全性は比較にもなりません。第2世代の原発は、核燃料が溶融した時に受け止めるコアキャッチャーがなく、航空機衝突対策などにも十分な対応ができていません。また日本の原発の基準地震動はIAEAが推奨している基準の10分の1でしかありません。
 率直に言って、この間の規制基準の見直しで、世界最高水準になったというのは嘘と言っても過言ではなく、従来から少しだけ安全性が高まったというのが、正確な表現だと思います。
 また、電力コストが問題になりますが、原発は事故処理費用や100万年の最終処分の費用を考えると、どの電源よりも高くなります。現時点だけ見てコストが安くなるというのは、その負担を将来に先送りしているだけです。ウランの埋蔵量は約100年分で、原発もそんなに長く使えるものではありませんし、使用済み核燃料の捨て場所が無く、危機的な状況になっています。
 世論調査では、約6割の国民が原発の再稼働に反対しています。そのような状況で、政府として原発の安全性などについて、丁寧に説明することなく、原発廃止から推進に転換するに際して、国民との全国的な対話の場もなく、再稼働を実施したことに、大きな違和感と不信感を覚えます。安保法案と同じく、政府は「強行しても国民はいずれ忘れる」と思っているのでしょう。